エッセイ 韓国語の物語

 

漢字の発想

中国人と韓国人と日本人の三人が筆談をすると

互いに言葉の通じない韓国人と日本人、中国人男性がある国際交流の場で出会った。
中国人と日本人は、それぞれ女性同伴だ。
中国人は、その夫人を指さして、「(僕の)愛人」と書いた。
日本人は、あやうく吹き出しそうだったが、心の中で「へえ、不倫相手を連れてくるのかよ」と、
意味深な顔をする。
すると、韓国人は、「綺麗な恋人だね」と思い、自分の胸を指さして、「(僕の)愛人、美人」と書いた。
自分の恋人を自慢したくなったのだ。
「やはり、僕らとは違うんだね。自分の愛人をあれだけ大っぴらに連れて歩いたり、美人だと言ったり・・・」
と、日本人は驚くばかり。
すると、中国人と韓国人は日本人の隣の女性を指さして、「(あなたの)愛人」と書いた?
「NO,NO」と、叫びながら、「愛人」と書いた文字に×を付けるのだった。
彼女は、実は恋人だったのだ。
お察しの通り、3つの「愛人」は、それぞれ意味が異なる。中国人の「愛人」は、「アイレン」と発音し、「妻」を意味する。韓国人が書いた「愛人」は、「エーイン」と発音し、「恋人」だ。日本人が「愛人」を「あいじん」と錯覚しても無理はない。漢字語をそのまま日本語に置き換えてしまうのだ。このように、同じ漢字を使っていながら、意味が全く異なるケースが少なくない。「手紙」と書いたら、日本人は、人に送る便りのことを思うだろう。でも、中国人は、手に当てる紙、即ちトイレットペーパーだ。
ある時、黒板に私は「便紙」と書いた。生徒さんは、トイレットペーパーだと思ったそうだ。
韓国語ではピョンジと「手紙」のことである。
外人=(日本)外国人、(韓国)外部の人
物件=(日本)不動産、(韓国)品もの

 

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