エッセイ 韓国語の物語

 

漢字の発想

漢字音の語彙も助かる、でも怠ける私

日本語を学ぶ時、もっとも苦労したのは漢字だ。
日本語を学ぶようになるまで、自分の名前すら漢字で書けなかった。学校で少し学んだ記憶はあるが、
大学受験から漢字が除外されたこともあって、しっかり学ばなかった。
私の場合、祖父から少し漢字を習っていたことが幸いだった。韓国語で漢字の読み方は一字一音がほとんどだ。日本語のように、漢字を訓読みする読み方はない。
その点、日本人が韓国語を学ぶのは易しい。また、韓国語の語彙の60%以上が漢字語からできている。
だから、雑誌はチャップチといい、新聞はシンムンという。日本漢字音の音読みと似ているものが多い。
私立=サリップ、図書館=トソグァン、薬局=ヤックク
計算=ケサン、道路=トロ
漢字音の読み方に馴れると、語彙を増やすのに大助かり。
「へえ、ハングルで表記しているけど、もともとは漢字語なんですね」
市民講座の60を超えるAさんが不思議そうに尋ねる。 
「そうなんです。私も日本で漢字を習ってから知った漢字が多いんです」
「かえってその方が難しくないですか」
Aさんの疑問はもっともだ。韓国でも世代によって漢字の学習程度に大きな差がある。
「最初から漢字を習った50代、60代と、漢字を全く知らない20代、30代とで大きな差があるんです。40代の私は、ある程度読めるからちょうど中間の世代ですね」

 

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