ふくかんねっと(福島韓国語・韓国文化ネットワーク)



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  ヨン様、福島で雲がくれ(2004/12/21)
   
 

 「ヨン様が福島に来ましたよ」と、14日の午後、知人から電話が入った。「まさか、冗談でしょう」。「冬ソナ」の主人公で有名なペ・ヨンジュンこと、ヨン様が福島空港に現れたというのだ。信じられない。

 でも、本当だった。私が主宰する福島韓国語・韓国文化ネットワークのメンバー数人が同じ飛行機に乗っていたのだ。「幻ではないかと疑った」「そばに行きたい気持ちをひたすら抑えた」「福島人として静かに歓迎したかった」など。翌日の地元の新聞には、福島空港に降りた時のヨン様の写真と彼を目撃したメンバーたちの声が掲載された。

 それから二日間、ネットワークの事務局に全国のマスコミから取材依頼が殺到した。仕事だ、個人旅行だなどと、ヨン様が福島に来たことについて、さまざまな憶測が飛びかった。だが、私は福島の小さな温泉でくつろぐ彼の姿を想像した。「そっとしてあげたいね」と、ネットワークのメンバーたちも口をそろえた。

 彼はドラマが終了すると次の作品まで雲がくれする癖がある。休養をとる手段なのだろう。つりが好きな彼は、よくソウル近郊のつり場に現れたりする。地方にもぶらっと出かけ、書店めぐりをしたりする。そういう雲がくれをする範囲が日本に広がったのだろう。福島に来たのは、いつもの雲がくれではなかったかと思う。芸能人である以前に、一人の個人になりたいときがあると思う。ファンたちにも、彼の雲がくれをそっと見守ってあげるような大人の思いやりがほしい。

 韓国で彼は、10年ほど前から大スターだ。95年「若者の日向(ひなた)」で注目を浴びた。96年の「初恋」では、60%を超える最高視聴率を記録、事実上大スターの仲間入りをした。私がファンになったのもこの頃だ。

 彼のファンが耐えなければならないことがある。ひとつの作品が終わって、次の作品を選ぶまで1~2年待たされることだ。芸能人は人気が命とよく言われる。人気が出始めると、それを維持するために必死で仕事を続けるスターが多い。でも、ヨン様は違う。いらいらするほど慎重なときもある。それが彼の美学でもあるのだ。リフレッシュして、充電したヨン様は、次回どんな訳で現れてくれるのだろうか。
 
ちょん・ひょんしる
 
  イラストは、韓国の国民大学視覚デザイン科2年生、チョン・ウンジュさん

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