コラム

毎日新聞(福島版) 「暮らしの中の日韓」連載

 

ゴルフとバレーボール(2003/11/18)
   
「福島にゴルフできるところあるの?」。
数日前、韓国の中学時代の同級生から突然電話が掛かってきた。
韓国南部の都市クァンジュ(広州)で飲食店を経営している彼女は、ゴルフが何よりの楽しみだ。ゴルフを趣味にするなど、20年前は考えられなかった。
韓国は大きく変化している。
10年ほど前から国を挙げてゴルフを推進してきた韓国。
経済効果を狙ってのことだ。その甲斐あってか、ゴルフ人口は300万人を超え、人気は年々高まっている。国民の15人に1人がゴルフをしている。
私の同級生もその1人だ。
日本でもよく知られるパク・セリ、キム・ミヒェン選手らの活躍も影響しているだろう。
彼らの他に300人余りのプロゴルファーが世界中で活躍しているらしい。
「ゴルフ場が足りなくて困っているの」と、友達。ゴルフ好きのアジュンマたちが集って、週末にはゴルフに出かけるとか。
なのに、ゴルフ場の数は韓国全土で165コースしかなく、平日でもメンバーでないとプレーできないという。
バブル後、日本ではゴルフ人口も減る一方だが、韓国では違うようだ。
「福島にはいいゴルフ場がたくさんあるのよ」。
ご近所の、ゴルフに詳しい元アナウンサーのAさん。早速、クァンジュの友達に電話を入れた。
私が「ゴルフはしないけど、バレーボールが楽しい」というと、
今度は私の同級生のほうがが驚いた。「どうしてゴルフしないの?」
水曜日の夜、私は近くの小学校の体育館で、ご近所の皆さんに交ってバレーボールで汗を流している。
そこで健康的で楽しい時間を過ごす。
バレーボールを始めた時、メンバーの年齢きいてびっくりした。
五十代、六十代の女性がほとんど。
そのプレーの格好いいこと。
皆さん、バレーボール歴30年以上というのだから、
これまたびっくり。
それまでバレーのボールに触ったこともなかった私は、一番の劣等生だ。
下手な私のボールさばきに「ドンマイ、ドンマイ」「いいよ、いいよ」と、
誰もが温かくかばってくれる。
今度、その同級生がゴルフ仲間と一緒に福島に来るという。
私たちのバレーボールを見て何というか楽しみだ。
 
   
 
イラストは、韓国の国民大学視覚デザイン科2年生、チョン・ウンジュさん

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